ダブル☆ラブ☆ゲーム
「あのなぁ~恋愛なんてそんなモンだぞ?本当に自分が好きな人と結ばれるなんて可能性としてはめっちゃ低い。ありきたりな事言うけど、星の数ほどいる男女がお互い好きな者同士くっつくなんて奇跡に近い。いや、運命とも言うかな。
だから別にお前が振ろうがその子は恨んだりしねーって」



「うん・・・・・」



珍しく真哉が真剣に語ってる。



ふぅん。



こいつでもたまにはまともな事言うんだぁ。



「てか早いところ彼女作れや。そしたら言い寄ってくる女も減るしさっ」



でもすぐにいつもの真哉に戻って愛斗の肩をポンポンと叩いた。



「あっ!ねぇ、真哉はあのいつも一緒に帰ってる彼女といつから付き合ってるの?」



私は思い出したように聞いてみた。



「・・・・・・・・・」



「真哉?」


「・・・・・アイツは彼女じゃねーよ」



真哉はため息混じりで言った。




「俺なぁー、ホントは元バスケ部だったんだよ」



「えっっ!?」



私は心底ビックリして顔を思いっきり真哉の方に向けた。



元々背が高いし体格いい奴だなーとは思ってたけど



まさか本当にスポーツやってたなんて思っても見なかったよ。



だってハッキリとスポーツは嫌いって前に言ってたし。



「なんか同情されんのとかウザかったから言わなかったけど、中三の頃に部活でやってたバスケの試合中に、コート近くにいたマネジャーにボールが飛んでったからかばったら大転倒してさぁ。打ち所がちょっと悪くて入院しちまってさぁ~。そのマネージャーつうのがあの女なんだけど、俺がバスケで世界行く夢知ってたから責任感じまって自殺未遂起こしてさぁ。それからなんか邪険にできなくて今でもつるんでるってワケ」



そう一気に話すとペットボトルに口をつけてゴクゴクと飲みだした。



私はビックリして言葉を失った。



「そんで怪我のせいで最後の試合に出れなくなってバスケとは疎遠になったってワケ。でもこの高校選んだのはやっぱバスケが強いからなのかなぁ・・・。すっかりなまっちまった体見てっとまたやろうなんて気起きねーけど・・・なんでかな」



真哉が力なく笑い、フタを閉めた。
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