ダブル☆ラブ☆ゲーム
その後一言二言交わして電話を切った。



「なんだって!?」



クミはすかさず聞いてきた。



電話くらいゆっくりさせてよ~。



たぶんこの調子だとゆっくり順を追って話す余裕はないな。



「なんかこれから真哉がここに来るってぇ」



と、私はそれだけ簡潔に伝える。



だって本当にそういう事しか決まってないもん。



これから愛斗達がどうするのか?とか、買出しはいつするの?とか私も聞きたい事たくさんあるけど



まぁそれは真哉が来てから決めればいい話だしね。



「うそ!?マジ!?ヤバっ」



クミは真哉が来ると知って慌ててバッグから化粧ポーチと鏡を取り出すと、急にメイク直しをやり始めた。



いやいやいや



あんたもう十分バッチリですよ?



クミと集合した時、出勤前のキャバ嬢かと本気で思ったもん。



いつもセットアップとかジャージとかラクな格好が好きなクミの珍しい「バッチリ」な姿にビックリしちゃったし。



マイミはマイミでどこのお嬢さま?ってなくらい女の子らしい格好をして来てまたコレもビックリ!



二人ともキャラ違ってるってか路線が外れまくりですけど!?って思ったし。



私もそこそこ手を抜かずに来たけど地味に思えて来る程。



二人とも゛本気゛なんだなぁ・・・。



クミが一生懸命メイクを直してると、真哉らしき人が店の中に入って来たのが見えた。



なんで゛真哉らしき人゛かというと、まだ一度も私服姿を見た事ないからだ。



だから私服姿の真哉が全く想像できず、特定するのが難しい状態。



でもその人はキョロキョロした後、うちらの方を見て視線を止めた。



あ、やっぱり真哉だったんだな。



黒っぽいシャツをタンクの上に羽織って、ダメージデニムと合わせている。



シンプルだけど小物使いとかがオシャレですごく真哉っぽい。



初めて私服姿を見たけど、こういう系統なんだぁ。



嫌いじゃないかも。



なんて勝手にファッションチェックをしちゃった。



他人をチェックできるような格好してないのに。
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