ダブル☆ラブ☆ゲーム
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「着いたよ」



私達は買出しを済ませ、太陽くんの家まで来た。



普通の一軒家の庭にポっと明るい電気が付いている部屋がポツンとある。



あれが噂の離れか。



「なんかワクワクするねっ!」



クミが体を密着させてきてコソっと嬉しそうに話す。



そうだよね。



これから好きな人と一緒に密室空間で同じ時間を過ごせるんだもん。



嬉しくないハズがないよね。



私も別の意味でこういう飲み会的なのは久しぶりだったからワクワクしていた。



ただ、愛斗狙いのマイミだけちょっとブスっとしている。



「マイミぃ~!大丈夫だって!もうすぐ桜井くん来るから!」



クミがマイミの肩をポンっと叩くと励ましてみた。



「え?なに?マイミって愛斗狙いな訳?」



真哉はクミの言葉を聞き逃さなかった。



「ヤダっ!ちょっとクミ!言わないでよっっ!」



さっきまでぶすっとした表情だったマイミの顔がみるみる赤くなって超焦ってる。



その顔を見てうちらは大うけ。



なんかクミもマイミも羨ましいなぁ。



好きな人と過ごす時間ってすっごい特別だもんね。



私にはその相手はいないけど・・・。



「何そんな所で突っ立ってんの?」



家の前で談笑している私達の前にいつの間にか太陽くんが立っていた。



「あぁ、気づかなかった。もう入っていいの?」



真哉の言葉にコクリと頷く太陽くん。



なんかものすごく、目が合ってるけど・・・やっぱ今日の服装変!?二人に比べて地味!?



そう思ってたけど、みんなが太陽君につられて部屋の方へ歩いて行ってると



真哉が急に耳打ちしてきた。



「今日学校でお前が立ち去った後、太陽がお前の事めちゃめちゃ美人って言ってたぞ!」



え!?



なんでそれを今言う!?



太陽くんが私の事をそう言ってくれたって事実よりも



これからみんなで楽しく飲もうっていうこのタイミングでなんでそんな気まずくなるような事を言うの!?って思った。



私だけは緊張する事もなく、何の気兼ねなく飲めると思ったのに。



別に太陽くんが好きとかじゃないけど、そんな事言われたら少なからず意識しちゃうじゃない。



私は真哉を軽く睨む。



「なんでそんな顔すんだよ。ワケわかんね」



きっとテレるか喜ぶと思ったのだろう。



予想外な私の反応に戸惑っている。



ふん。真哉のバカ!
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