ダブル☆ラブ☆ゲーム
とりあえず私は何も聞かなかった事にしようと思って足を進めた。



その噂の離れに足を踏み入れた瞬間、目の前に飛び込んで来たのはすごい数のスポーツ関連のグッズやら選手のポスターやらだった。



いかにも゛スポーツ好きの男の部屋゛って感じ。



「わぁ。スゴイ。ここって太陽くんの部屋なの?」



私が思わず聞くと



「あ、う、うん」



と、相変わらずキョドった答え方をしてきた。



「コイツうるせーから庭に放り出されたんだよ。だからここが太陽の小屋なんだよ。なー?」



まるで犬小屋のような言い方をしてきた真哉はめっちゃイタズラっ子のような顔をしている。



ほーんと、ガキくさい所あるなぁ。



太陽くんは「うるさいし」と言って真哉を睨んでる。



「まぁまぁみんな汚い所だけど座って?」



「お前がもてなすな!」



真哉と太陽くんのミニコントでウケながら私達はその場に座った。



「あ、飲み物冷蔵庫に入れなきゃ!ある?」



私はさっき買ってきた袋を覗くと太陽くんに聞いた。



結構大量にお酒買っちゃったから冷やさないとマズイ。



部屋を見渡すと隅の方に白い冷蔵庫らしき物体が置いてあった。



「あ、俺やる。置いといて」



私からスーパーの袋を受け取ると冷蔵庫に詰めてくれた。



うーん、なんか意識させない男だなぁ・・・



なんていうか男を感じさせないというか、あんな事聞いた後でも不思議と意識しないでいられる。



まぁ本人から直接聞いた訳じゃないから真実味ないしね。



詰め終わってこっちに戻ってくる太陽くんに対して「ありがとう」と一応お礼は言ってみた。



太陽くんはちょっと恥ずかしそうに頭をペコっとやると視線をすぐに私から外した。



「愛斗来るまで待つ?それとも始める?」



「つか愛斗何時に来るんだよ」



二人の会話にマイミがそわそわし始める。



「あ、じゃあ私電話しようか?」



私は真哉達に聞いたつもりだったけど



「うん、お願い」



と、マイミが答えてしまった。



待てないんだね。



そりゃそーだよね。早く好きな人に会いたいもんね。



夢中になって話してるクミの横で携帯を取り出し、愛斗に電話をする。
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