ダブル☆ラブ☆ゲーム
「なのに・・・・・」



そこで話を詰まらせると、真哉が背中をそっとさすってくれた。



・・・・やだ



今下手に優しくしないでよ。



ああ、そうか。



これが真哉の狙いだっけ?



涙なんか流すつもりなかったけど、ちょっと胸が熱くなってくる。



今まで人に話す事なんてなかったから。



当時もリアルタイムで知ってるクミ達以外誰も知らないし、誰にも話した事がなかったから・・・



人に話すなんて初めてで、うまく話せているか自分でもよく分かんない。



「それで?」



私が言葉に詰まらせていると、真哉が背中をさすりながら優しく聞いてきてくれた。



「うん・・・それで・・・先輩が高校を卒業していって、いつだったかなぁ?春休みなんだけど、先輩の家に遊びに行った時にたまたま卒業アルバムを見つけて中を見ちゃったの」



「・・・・・・」



「もちろん何も疑ってなかったし、ただウチの高校の卒アルってどんなかなーって興味本位で見たの」



「・・・・・・」



ここで私の脳裏に最も消し去りたい画像が浮かんできた。



それは



「アルバムの中には先輩がいろんな女の人と仲良さそうにしてる写真が何枚かあって、それだけだったら別によかったんだけど、寄せ書きを見たら・・・」



いろんな女の人が書いただろう、可愛い文字で書かれた文章がいくつもあった。



それを一つ一つ読んでみると



「私の高校生活リュウキがいたからすっごい楽しかった!卒業してもずっと好きだよ!」


「一年生の女が彼女って言ってたけど、本当は私が彼女でしょ?」


「リュウキと過ごした熱い時間はずっと忘れないよっ!つかあんた女何人いるのさ(笑)」


「リュウキ!愛してるよ!これからもずっと!」



そんな言葉がズラリと並んでいた。



最初意味分かんなくて



えっ?っと思ったけど文章の意味がよく理解できなくて



みんな冗談で言ってるのかなぁって思ったけど、体中の血の気が引いて行ってどんどん震えが止まらなくちゃってきちゃったの・・・



その時先輩寝てたからすぐに真相確かめる訳にもいけなくて



でもどうしても今真相を突き止めたくなって



私・・・怖かったけど先輩の携帯を見ちゃったの・・・・。



震える手で携帯のメールボックスを開いて、女の名前があったから開いてみたの。



そしたらやっぱり他の女と会ってるような内容だったり、好きだの会いたいだの言い合ってたりして・・・



ショックのあまりその場を立ちすくしてたら先輩が起きて、思いっきり携帯を取り上げられたから



「どういう事!?」って問いただしたら



「俺が何人女作ろうがお前には関係ないだろ。お前もその一人だし」って平然と言って来て・・・
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