ダブル☆ラブ☆ゲーム
そう思うとなかなか朝食の手が進まない。



行きたくないけど、時間は残酷にも時を刻んで家を出ないといけない時間に近づいていく。



「・・・ごちそうさま」



まだ残ってる朝食をキッチンに下げるとママが顔を覗き込んできた。



「今日はご機嫌ナナメなのね。髪巻かない日のあんたは何か悩んでる証拠だもんね」



見透かされている事にちょっと恥ずかしくなってしまったけど



ママが言ってる事は図星。



気分が上がらない時、私はストレートのまま。



なんて分かりやすい娘なんだろう。



「そんな事ないし。行ってくるね」



ぶっきらぼうに答える私を呆れたように見てため息を漏らすママ。



こんな時に放っておいてくれるのがママのいい所。



私が話を聞いて欲しい時とそうでない時をちゃんと見分けてくれる。



いや、髪を目安にしてるだけじゃなくて雰囲気とかでね。



そんなママに背中を向けて重い足で玄関を出た。
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