ダブル☆ラブ☆ゲーム

「パコンっ！！」



いっっ・・・たぁぁ～！！



「ちょっ・・・何！？誰！？」



気持ちいい夢の中から



頭に走った衝撃のおかげで



いっきに現実へと戻された。



見上げると目には眩しいくらいの金髪頭をした同じクラスの須堂が立っていた。



「なぁにぃ？あんた！女の頭叩くなんて最低！！」



「寝言は寝てる時に言うもんだよ」



須堂は苦笑しながら嫌味を言った。





は？



叩いたの・・・

須堂じゃ・・・？？





よく周りを見てみると



クラス全員私を見ていた。



そして須堂の隣を見ると


怒りに震えた先生が見下ろしていた。



「海谷(みたに）、今は寝る時間か？」



丸めた教科書を握り締めながら先生が冷静に言って来た。



「・・・すみません」



ペコっと頭を下げると



視線を須堂に戻した。



ニヤニヤした表情をしている須堂は「バカ」と口パクで言って見せた。



はぁ！？



誰がバカだって！？



「今度寝たら出て行ってもらうからな。須堂、お前も二度と遅れるな。じゃあ授業に戻るぞー」



先生はそう言うとくるりと方向転換して黒板の方へと歩き出した。



「なに？どーいう事！？」



後ろの席に座った須堂に



コソコソっと小さな声で聞いてみる。



「俺が遅刻してそっと席に戻ろうとしたら矢口に見つかって更にお前が寝てるのにも気づいたんだよ」



・・・なるほど



だから先生に叩かれた時須堂が立ってて誤解しちゃったんだね。



「それにしても巻き込まないでよ！」



「寝てたお前が悪いんじゃん？」



う・・・



そうだけど・・・・



「もういいっ」



私はそれ以上言い返すのがめんどくさくなって前を向き直した。



そういえばこの前の席替えから１ヵ月以上経つけど



後ろの席の須堂とまともに話すのはじめてかも。



一際目立つ金髪、ピアス、体格



見た目がかなりイカツイから関わるのやめようって思って



なるべく後ろ見ないようにしてたんだよね。



でも今話してみた感じだとそんなに近寄りがたいタイプではなさそうかも。