ダブル☆ラブ☆ゲーム
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ついに教室のドアの前まで来てしまった。



意を決したつもりだけど、実際教室のドアを見てしまったら怖気づいてしまった。



入っても目を合わせなきゃいい話。



だけど真哉と私は前後の席。



逸らす方が難しい。



ドアの前で私が固まっていると



「ゆーづきっ!」



背中を急にドンっと押されてビックリして振り返るとクミとミウが居た。



「なぁにしてんのこんな所で!」



二人は笑いながら私を見る。



「どしたの?入ろうよ?」



不思議そうにするクミを見て私はヤバイと思った。



入らない→入りづらい理由がある→その理由はこの前の事が関係している→相手は真哉→真哉と何かあった



と、連想されてしまうんじゃないかと思って



「あ・・・いや、教室入る前にトイレ行って来ようか悩んでて」



と、咄嗟に嘘をついてしまった。



「あ、私も行って来ようかなぁ?」



その嘘がちょっと裏目に出てなぜかクミと二人でトイレに行く事になってしまった。



クミとも気まずいのにー!



「てか柚月体調治った?朝起きてあんたいないから超ビビったし」



・・・やっぱりこの前の話をふられてきた。



もちろん平静を装う。



「ごめんね?ちょっと飲み過ぎたみたいでさぁ~」



手を洗いながらなるべくクミの方を見ないようにごまかしてみた。



目を合わせると見透かされちゃいそう。



クミは勘がいい所があるからなぁ…。



「そういえばあの後すぐにみんな帰ったの?」



自分の話題を逸らすように切り替える。



でもクミは待ってましたとばかりに急に「ニヤ」っと笑い出した。



「そ・れ・がさぁ~!もう超楽しかったぁ~!!」



喜びを全面に出すように笑顔で私の背中をバシバシと叩くクミ。



い…痛い、普通に。



この反応、真哉と何かあったな。



少しだけ胸がチクンと刺さる。
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