ダブル☆ラブ☆ゲーム

「あ、おっはよ～！須堂くん」



運よく真哉が何か反応する前にクミが私を飛び越えて真っ先に真哉の席へと向かっていった。



二人が楽しそうに会話をしている隙に自分の席に着く。



先生が来るまでもう少し。



このままクミがずっと話しててくれれば真哉と二人きりになる時間がなくなる。



私の心臓はトイレにいた時とは比べ物にならないくらいの速さでドクドクと音を鳴らしている。



「ゆづっちゃん俺に挨拶無しかよ？」



突然パコンと頭を叩かれたかと思ったら真哉が話しかけてきた。



え！？



あまりにも自然な態度に思わず戸惑ってしまう。



ダメっ！私も自然にしなきゃっ！



「あ・・・ご、ごめん。し、視界に入らな・・・かった」



最悪。



自然とは真逆の対応をしてしまった。



声詰まりすぎ。



クミも「？」って顔してる。



あ～も～バカ！！



いつもの私だったらポーカーフェイスが何よりも得意じゃないっ！



キスされたくらいで何をこんなに動揺してんのさっ！！



今すぐさっきのセリフやり直したい！