雨模様
第一章
土砂降りの雨の中で一人、歩いていたんだ。

そしたら男の子が傘をさしてくれた。

あたしはその人に笑顔で話しかけていて。

その人も笑顔で。

すごく幸せそうだった。




…そんな夢を見た、今日。


あたしは、朝から幸せな気持ちに包まれていた。


岡沢奈月、15歳。



いつものように学校へ行く支度をする。


「奈月ーもう行くのかー?」


「うんっ。お兄ちゃん、今日バイトでしょ?頑張ってね」


「おう!いってらっしゃい」


「いってきまぁーす」


テーブルの上にある写真へと顔を向ける。


「お父さん、お母さん行ってきます」




今日も一日がスタートする
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