雨模様
「…高島くん…」
「…おはよ」
「あ…おはよう」
「行こっか?」
「え、うんっ」
高島くんの横に並んで歩く。
「手」
「え?」
「ほらっ」
高島くんはあたしの手を取って、繋ぎ合わせる。
…なんか、夢見ているみたいー…
だって一昨日までは、こんなこと…ありえなかったのに。
門の前まで来て、あたしは握っていた手を緩める。
「…どうした?」
「ごめん…なんか…恥ずかしくて…」
「平気だよっ」
そう言って、あたしの手をぎゅっと握って校内へ入る。