命魂ハンター(ライフソウルハンター)


「えな…。」


「お母さん!!」


えなのお母さんは力を振り絞り、自分の髪飾りを渡した。


「お母さんの大切な髪飾りよ…。

だんごにつけるの…。

えな…使って…?」


「えな…父さんからはこれを…。

武器を渡すよ…。」


自分が愛用していた武器である剣を渡した。えなはそれを受け取った。


「お父さん…!!」


「父さんと母さんは……ずっと……

えなのことを…空から見守ってるからな…。」


「強くたくましく…

頼りにされるハンターに…なってね…。」


二人は力なく笑いえなに言った。

えなは二人の命が残りわずかだと気づいていた。

ただただ涙を流して頷くことしか出来なかった。


「もうちょっと…えなが大人になるまで…

一緒に居たかったわ…。」


「柚柳、柚掠、柚櫚、もか、なみ……

えなをたのむ…。」


二人は涙を流しながら言った。そして…。


「私たちの元に生まれてくれてありがとう…。」


「「えなのこと…世界一愛してる…。」」


そう言ってえなの父と母は息を引き取った。


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