命魂ハンター(ライフソウルハンター)


「雪李様!」


雪李が門から出ようとしたとき背後から声をかけられた。


「智憂(ちゆう)!やっぱりバレてたか…。」


雪李は舌をだして笑うと、智憂はため息をついた。

そして雪李の前に膝をついて軽く見上げて顔を見た。


「何年あなたといると思っているんですか。

まったく…小さい頃からおてんばは変わらないんですから…。」


智憂のその態度に雪李はムスッとした。


「はぁ……。

あの3人…。千羅(せんら)も希空(きくう)も星樹(せいじゅ)も、

あなたがここに隠れていることに気がついていますよ。

けれど他の者に気づかれないようにわざと、裏庭に向かったのです。

さぁ…戻りましょう。」


「智憂!!!約束破るの!?」


雪李は泣きそうな顔をして言った。

それを見て慌てて智憂は立ち上がった。


「いい加減分かれよ…。

雪李はこの国のお姫さまで、俺と…千羅と希空と星樹はお前の付き人兼護衛人なんだよ。

幼なじみだけど…全然違うんだよ。」


智憂は呆れたように…少し切なそうに言った。

それを見て雪李も切なそうな顔をした。


「でも…約束したじゃん…。」


雪李はそう言ってうつむいた。


「そうだけど…。」


「もういい!!」


「雪李っ!!」


そう言って雪李は門から出ていってしまった。


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