森の妖精
でも着いたそこには、女の妖精がすでにその手には首飾りを持っていて、隣で照れ臭そうに首飾りを作ってる椿の姿があった。

私は椿に問い積める事も、その妖精に詰め寄る事も出来ずに、ただそこに立ち尽していた。
その代わりに怒っていたのは、一緒に来た百合だった


「なに!あの女!! ちょっと魁梨、そんなとこで立ってないで、あのバッカ!に聞いて来なさいよ!」


「いいよ百合 ありがとう。私わかってたから、もう帰るね」


「何よ、わかってたって!!」


ヒートアップする百合に対して、私は他人事の様に冷めていた。


そうわかっていた事だ。
私は人間、外見が変わらないと言っても、椿は妖精、いくら好きでも住んでいる世界が違うのだ。

もし椿に妖精の好きな人が出来たら、私は森を去ろうと思っていた、大好きな椿には幸せになって欲しいから。

そして、私は百合の制止も聞かないで森を後にした。

それから半年がたった今、森には近寄らなかったのに、何かに誘われるかのように私は森に入っていった。


久しぶりに見る森、入り口にある、椿との待ち合わせによく使っていた木の前には誰も…


「……椿」


そこには椿が首飾りを持って立っていた、

< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop