SH-BA-RI
権力者は色を好む
と言われている。
権力者平清盛が、
囲う女を抱く為だけに作った地。
遊郭はそんな場所。
あたしは、
お金欲しさと、
生活の為、
遊郭の女となった。
名前は、
サリ
と名付けられた。
あたしは、
遊郭の地に足を踏み入れたことに、
なんの迷いもなかった。
お昼から夕方まで、
男と重なり合い、
素直に感じ、
果て続け、
大金を手に入れ家路につく生活に、
充実感を得ていた。
売れっ子になった為、
あたしは、
ご飯を口にする間もなく、
馬車馬のよ-に働いた。
遊郭の世界は、
女の嫉妬で渦巻いている世界だった。
一匹狼のあたしに、
周りの人間なんて、
ど-でも良かった。
半年が過ぎる頃、
さすがのあたしも、
カラダに限界を感じてきた。
他人の気持ちや恩を背負う仕事である為か、
精神的負担がキツくなり、
愛のある、
想い合った、
優しい人肌が、
恋しくなった頃、
遊郭で客引きをしている男に声を掛けられた。