Bitter Chocolate.
泣きながら話すあたしの頭を
たまに手を伸ばして
撫でて、”大丈夫だよ”と
優しく笑ってくれた。
「 香水の匂いが、したんです 」
それから、出てきたことを話して
飛び出したことを謝ったら
綾川さんは笑って”いいよ”と
言ってくれた。
綾川さんは車をとめると、
先に降りて、助手席のドアを
開けて、手を差し伸べてくれた。
「 仲直りできるまでここに
いていいよ、麗華ちゃん 」
「 綾川、さ・・・ッ 」
優しい。
温かい手に自分の冷たい手を
のせると、きゅ、と握られて
引っ張られた。