Bitter Chocolate.
コクン、とあたしが頷くと
”そっか”と苦笑して、
「 今日はバレンタインだよね、
麗華ちゃんはチョコとか用意した? 」
「 ・・・はい、しました 」
「 最近は、男性から女性にも
チョコをあげるみたいだよね 」
”そうなんだ・・・”と思いながら
足を組んだ綾川さんを見上げていると
「 たとえば、そういうのに詳しい
女性と麗華ちゃんにあげる
プレゼントを選びに行っていた、とか 」
「 ・・・・プレゼント? 」
「 香水、アクセサリー、色々あるよね? 」
そう言われて初めて、自分がどれだけ
子供だったのか分かった気がして、
自分に呆れて、涙が頬を伝った。