Bitter Chocolate.
「 あら、大変なことに
なったみたいね? 」
そう言って笑うと
あたしたちの向かい側に
彼女は腰を下ろした。
「 ちゃんと話したの? 」
「 お前がいた方がいいと思ったんだよ 」
「 ・・・・そうかしら? 」
今にも逃げ出しそうなあたしの手を
龍弥はがっちり掴んでいて
逃げることを許さない。
「 増本りなです、初めまして 」
にこっ、と笑った彼女は
”よろしくね”と手を差し出して
つられるように手を差し出すと
ぎゅっ、と握手をした。