Bitter Chocolate.
「 お前の香水、くさい 」
「 これ、結構人気あるのよ? 」
「 くさい 」
「 ・・・文句言いにきたわけじゃ
ないなら黙ってくれない? 」
引きつった笑顔を浮かべた彼女は
あたしに視線を戻して、
「 さっきまで、龍といたのは本当なの 」
「 ・・・・え? 」
綺麗で、礼儀正しくて、こんな大きな
ホテルで働いているこの人に比べたら
あたしなんか・・・・。
「 でも、勘違いはしないで? 」
あたしのネガティブな発想は
案外簡単になくなった。