Bitter Chocolate.
首に顔を埋めた龍弥の髪や
服からは、
「 龍弥は、女物の香水の匂いがするね? 」
鼻をくすぐるその匂いは、
女物だった。
あたしがそう言うと、ビクリ、と
龍弥の肩があがった気がして
すっ、と体を離した。
「 仕事だったんだよね? 」
「 ・・・・麗華? 」
「 今まで、何してたの・・・? 」
疑うことなんて、絶対にない。
そう思っていたのに。
こんなにも早く、その意思は
崩れてしまう。