MACHOCO


真知子は大学生だ。

真知子の雰囲気から高校生に間違われることもあるが、すっかり成人もしてしまった。

容姿はというと、黒髪ストレート、高校時代のあだ名はもちろんあのホラー映画の、ここまで言えば汲み取ってもらいたい。

あまりうれしくない理由でつけられたあだ名をカミングアウトするのは、いくら今失恋したばかりの真知子でも傷ついてしまう。

というより、傷が深くなってしまう。

鼻が少し低く、背が高いのがコンプレックスだ。

眼鏡をかけているわけでもなく、顔が特別不細工というわけではない(らしい)。

これは知り合いの女の子が言っていることなので、どこまでが本当かわからない。

女子というものは、時々、首をかしげたくなるものにまでカワイイという賛辞を投げるからだ。

内面としては「いつも心を広く」をモットーにしている。

神のような心で何事も受け入れようと、常々心がけている。

さもないと、耐えられないような日常があるというまで悲劇のヒロインでもないが。


ちなみに、有名な話であるような、さわやか君や、イケメン君が周りにいる訳でもないので、安心してほしい。

真知子には自分がトントン拍子で恋愛ができそうにもないことがよくわかっている。

もしも、真知子が本当に可愛いらしいならば、とっくに彼氏の一人や二人できているはずだからだ。

これ以上は察してほしい。



そんな訳で、真知子は自分の問題を自分で解決すべく、日々告白に勤しんでいる。

そんなんで良いのか真知子、いや、いいんだ真知子。





< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop