リセット
一章
日常
『…………………ん………………眩しっ………』
東から昇る太陽の光がカーテンの隙間から差し込む。私はその光が眩しく、顔を歪めて目を覚ました。
枕元に置いてある携帯を見ると、時刻はまだ六時だった。二度寝しようにも目が覚めてしまって眠れない。
仕方なく、ベッドから抜け出して、部屋を出た。
リビングには誰もいなかった。
ふと、窓に目を向けると桜の花びらが風に踊らされて、綺麗に舞っている。
その光景がやけに目に焼き付く。
「……サラ?」
背後から私の名前を呼ぶハスキーな声が聞こえた。
振り返ると上半身裸の零が立っていた。シャワーを浴びたのか髪が濡れている。
『零…。起きてたんだ』
「あぁ、どうしたんだ?お前がこんな朝早く起きるなんて」
『…………別に。顔洗ってくる』
「おぅ…」
私は零の横を通り過ぎてその場を去った。
あれから五年。零と一緒に暮らし始めて五年という月日が経っていた。
あまりにも近すぎて
その存在の大切さに気付きもしなかった。
****
顔を洗い、部屋に戻った私はドレッサーの前に座る。
蜂蜜色に輝く寝癖でボサボサになった髪を綺麗に整え、軽く化粧をする。
鏡に映る私はなんだか気持ち悪かった。
蜂蜜色の腰まで伸びた長い髪に青い瞳、それだけで私が日本人でないことが明らかだ。顔立ちもどこか日本人離れしている。
この容姿を見るたびいつも思う。私は誰なのだろう?どこで生まれたのだろう?
親のいない私にはそれすらわからない。
いつからだろうか。こんな風に物事を捉えるようになったのは。
以前はもっと楽観的だったような気がする。
悲劇のヒロインになりたかっただけかもしれないが。
『…………馬鹿みたい』
段々こんな事考えてる自分がアホらしくなった。
.
東から昇る太陽の光がカーテンの隙間から差し込む。私はその光が眩しく、顔を歪めて目を覚ました。
枕元に置いてある携帯を見ると、時刻はまだ六時だった。二度寝しようにも目が覚めてしまって眠れない。
仕方なく、ベッドから抜け出して、部屋を出た。
リビングには誰もいなかった。
ふと、窓に目を向けると桜の花びらが風に踊らされて、綺麗に舞っている。
その光景がやけに目に焼き付く。
「……サラ?」
背後から私の名前を呼ぶハスキーな声が聞こえた。
振り返ると上半身裸の零が立っていた。シャワーを浴びたのか髪が濡れている。
『零…。起きてたんだ』
「あぁ、どうしたんだ?お前がこんな朝早く起きるなんて」
『…………別に。顔洗ってくる』
「おぅ…」
私は零の横を通り過ぎてその場を去った。
あれから五年。零と一緒に暮らし始めて五年という月日が経っていた。
あまりにも近すぎて
その存在の大切さに気付きもしなかった。
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顔を洗い、部屋に戻った私はドレッサーの前に座る。
蜂蜜色に輝く寝癖でボサボサになった髪を綺麗に整え、軽く化粧をする。
鏡に映る私はなんだか気持ち悪かった。
蜂蜜色の腰まで伸びた長い髪に青い瞳、それだけで私が日本人でないことが明らかだ。顔立ちもどこか日本人離れしている。
この容姿を見るたびいつも思う。私は誰なのだろう?どこで生まれたのだろう?
親のいない私にはそれすらわからない。
いつからだろうか。こんな風に物事を捉えるようになったのは。
以前はもっと楽観的だったような気がする。
悲劇のヒロインになりたかっただけかもしれないが。
『…………馬鹿みたい』
段々こんな事考えてる自分がアホらしくなった。
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