願わくば。
ああ、私は一つ思い違いをしていた。
私に記憶があるからと言って、彼に記憶があるわけではないんだ。
それに気が付き自嘲気味に笑う。
できるだけ、彼と関わりたくない。
それが、正直に思った感想だった。
「(だって私、あんな冷たい目…知らないよ)」
またあの目を向けられると思うと、たまらなく怖い。
私と彼は同じクラスになっていたが、全く関わらずに二年が過ぎ、
気づけばもう三年の秋になっていた
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