406号室と405号室の2人。
あたしの親はあたしを見くびっている。
「…なんなのこれ」
「なんなのって…ケーキ?」
「……何があったの?」
「チッ…バレたか」
4回目じゃ、あたしも分かるよ。
因みに3回目は確かあたしが大嫌いな猫を1週間預かる時にこのケーキ作戦を実行されたっけ。
あの時は1週間、隆之介の家にお邪魔した。
「ケーキであたしを釣ろうとするのやめてよね」
そう言いながらあたしはケーキを口にする。
「ケーキ…食べたね」
「……ダメなの?」
「ダメ」
「…もぅ、分かったよ。で、何よ」