406号室と405号室の2人。







「あれ…」



数学の教科書忘れてた。

今日の宿題教科書がいるのに…。



しょうがない…




「お母さん、お隣行ってくるね」



「お父さん、まだ大丈夫よ」



「ウッ…ウッ…」



「……いってきまーす」





まだ慰めてたのか…。

静かに家を出て、お隣の家に行く。




ガチャ


「りゅーのすけー、教科書見して」


呼び鈴なんて押さずにあたしたちはお隣の家を行き来する。

だから、あたしが普通に入ってきても隆之介の家族は何も言わない。




「つぐみ…挨拶ぐらいはしろよ」



「したよ、小さな声で」


まぁ、嘘だけど。


リビングには呆れたようにあたしを見てくる隆之介と隣には酒を飲んで機嫌が良い隆之介パパがいた。






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