４０６号室と４０５号室の２人。

『つぐみにとって俺も清も一緒なんだよ』



自分で言ってて泣きたくなる。

なに自分で傷をえぐってんだよ、俺…。




「なぁ、隆之介」



「…なんだよ」



またマヌケなこと言ってくるか？

呆れた目で誠を見た。



「お前はさ、ヨシにどんな反応をしてもらいたかった訳？」



「はっ…？」



誠はいつもとは違った冷たい表情だった。


そんな誠の表情に言葉が詰まる。




「いや、お前はヨシに嫌がってほしかったの？嬉しがってほしかったの？って聞いてんだよ」



「それは…」



「ﾊｧ……お前は、どっちも嫌なんだろ。

もし、ヨシが親が勝手に従兄弟が住むことを決めたことを嫌がっていたら
その従兄弟を異性として見ていることになる。

反対に喜んでいたら、従兄弟を異性として好意がある可能性がある。


ヨシがどっちの反応をしていても結局、お前はショックを受けてるよ」



「……」



誠の言うとおりだ。

昨日はあんなにつぐみに嫌がってほしかったと思ってたけど、本当は俺は嫌がっても嬉しそうにされても結局はどっちもの反応もしてもらいたくなかったんだ。