406号室と405号室の2人。
「従兄弟の野郎だけにビビっててお前どーすんだよ。
ヨシの近くにいる野郎なんていっぱいいるんだぞ?
俺だってその野郎の1人だ」
「は?お前…」
ヨシのこと…____
「ヨシのことを恋愛対象で見たことねーよ、バカ」
焦った…。
誠もつぐみのことを好きなのかと思った…。
「俺が言いたいのは、誰がヨシを狙ってるか分かんねーんだぞ?
それに、ヨシが誰に恋をするのかも分からねーんだぞ?」
「……」
「たった従兄弟1人だけを警戒してんじゃねーよ」
「……」
こいつにしては珍しく正論を言ってきやがる…。
「今は幼なじみで1番身近な異性だけど、明日もそんな関係でいられる保証はないんだからな」
「…そんなの知ってるよ」
「じゃあ、さっさと告って今の生温い関係から脱出しろよ。まずは仲直りしろ」
最後に会ったつぐみの表情を思い出す。
「チーズケーキ食いてー……」
「じゃあ、さっさと仲直りしろよな。俺は先に帰る」
俺の返事を聞かないまま、お金を置いて帰って行った。
「….部活で負けたんだから、俺の分も置いて帰れよな」
誠は自分の代金しか置いてなかった。
格好つけるんなら、最後まで格好つけろよな。