406号室と405号室の2人。
ガチャ
「…ただいまー」
「あ、おかえりー。ご飯まだできてないから、ちょっと待つことになるけど大丈夫?待てる?」
「ラーメン食ってきたから、まだ大丈夫」
「そう」
自分の部屋に入って、制服からスエットに着替えてベッドに倒れた。
そして、目をゆっくり閉じた。
『まずは仲直りしろ』
クソ…誠の言葉が頭から離れない。
そんなこと分かってんだよ…。
『さっさと告って今の生温い関係から脱出しろ』
「…うるせーな」
誠のくせに調子乗りやがって。
でも、誠の言うとおりだ。
幼なじみなんていつかは終わる関係だ。
俺はつぐみとどんな関係になりたいんだ?
“隆之介っ”
「……つぐ」
そんなの考えなくても決まってる。
何寝っころがってんだ、自分。
今やらないといけないことがあるだろ。
重い体を無理矢理起こした。
ガチャ
「あら、隆之介どこに行くの?」
「隣り」
「そう、ご飯までに帰ってらっしゃいね」
「おぅ」
俺は勇気を出して家を出た。
家から出て徒歩3秒で着ける目的地。
なのに、なんで今家を出て5分も経ったのに最後のドアを開けることができないんだ、俺…。