406号室と405号室の2人。
「俺を少しぐらい《男》として見ろよ…」
あぁ…俺、今情けねー顔してんだろうな…。
「見てるよ?」
勇気を精一杯出した一言をあっさり返され、呆然とする。
「いや…お前見てねーよ」
「見てるよ」
「見てねーよ!見てたらホイホイ俺の部屋に来ねーし、自分の部屋にも上がらせねーよ!」
分かってねーのに、簡単に言うつぐみに腹が立つ。
「なぁ、つぐみ…お前は俺のことどう思ってんの?」
緊張して声が震える。
「どうって……」
「俺はつぐみのことずっと前から《幼なじみ》としてみてねーよ?」
いつからだろう…つぐみを《幼なじみ》としてみれなくなったのは。
「俺はずっとつぐみを1人の《女》として見てた」
いつからだろう…_______
《幼なじみ》としてつぐみの隣にいることが嫌になったのは。
「俺はつぐみを《女》としてずっと好きなんだよ」
これでもう《幼なじみ》には戻れない。