406号室と405号室の2人。
「へ…」
「だから、あたしも隆之介が好きだって!」
「……え」
目の前にいる幼なじみ…いや、たった今彼氏になったのかな?
そんな彼氏こと、隆之介は口をへの字にして固まっている。
なんでこんなにキョドッてんの?
「んー…えと、つぐみ?」
「なに?」
「もう1回言って?」
「…やだよ、恥ずかしい」
2回言っただけでもう勘弁だよ…。
「つぐみは俺が好き?」
「そう言ってんでしょ!」
隆之介の言葉を肯定した瞬間、テーブルを挟んで座っていた隆之介が隣にきて強く抱きしめてきた。
「ちょっ、ちょ!隆之介!」
なんであたし抱きしめられてるの!?
初めての体験で体が固まる。
「両想いだったなんて…やべー……すげー嬉しい」
隆之介…。
抱きしめられていて隆之介の顔は見えないけど、声はとても明るくて嬉しそうだった。
隆之介の言うとおりだ…。
あたし、隆之介と両想いだったんだ…。
今日から恋人同士なんだよね。