406号室と405号室の2人。
「ねぇ、隆之介」
「ん?」
顔を上げた。
「これからは《恋人》としてよろしくね」
「……」
「隆之介?」
え?反応なし?
「やべー!つぐみが彼女とか幸せすぎる…今なら泣ける」
「…」
隆之介ってこんなにあたしのこと好きだったんだ。
自然とニヤけてしまう。
あたし幸せだな…。
素直にそう思えた。
隆之介はゆっくりあたしから離れた。
「なぁ、つぐみ」
「ん?」
「俺のこと…ちゃんと恋愛対象での好きなんだよな?」
隆之介ってこんなに自信がない人だったけ…。
「そうだよ。ちゃんと特別な気持ちでりゅうを想ってるよ」
隆之介が自信ない人だとは思わなかった。
でも、そんなに自信がないのならその分あたしが気持ちを何回も伝えるよ。
「ごめんな、何回も聞いて。つぐが俺を好きだなんて自信なかったから」
「へ?そう?あたし、結構出してたよ?隆之介大好きオーラー」
あんなに伝えてたのに分かってなかったんだ。