406号室と405号室の2人。
「……」
ただ今チャイムが鳴る10分前…。
現時点家の玄関前。
ここから学校まで徒歩15分。
こいつよくいつも遅刻免れてんな…。
自然に顔が苦笑いになる。
ガチャ
「い、行ってきます!」
おっ、やっと出て来た。
俺に気づかないままエレベーターに走ろうとするつぐみ。
「おい!」
つぐみは一瞬体を震わせ、振り返るとやっと俺に気がついた。
「あ、隆之介」
「お前出てくるの遅すぎ!」
「え、いつもより早いよ!」
もっと余裕持とうとしろよ…心の中でため息をついた。
「まぁ、学校遅れる。走るぞ」
「うん!」
つぐみの手から鞄を奪って手を握る。
「あ…」
つぐみは俺が握った自分の手を見つめる。
「なんだよ…」
もしかして嫌だったのか…。
ヘタレな俺がまた顔を出す。
「いや、あたしたち付き合ってんだな、って実感しただけ」
顔を赤くして笑うつぐみを見てこっちも顔が赤くなる。
このまま学校サボって2人で何処か行きてーな…___。