406号室と405号室の2人。




「ほら、隆之介急いで!」



まぁ、そんなこと願望でしかないけどな。




つぐみと手を繋いで走って学校に行く。


それだけのことなのに、



「なんか楽しいな」




遠足みたいでワクワクする。



「ねぇ、隆之介」



「ん?」



「なんで今日は待ってたの?」



「あー、それは家が隣同士なら一緒に行きたいと思ったから」



まぁ、つぐみが断るまで、ずっと一緒に行ってたしな。


好きな人とずっと一緒にいたいと思うのは普通のことだろ。




「じゃあ、これから毎日一緒に行ってくれるの?」



「おぅ、手繋いで毎日一緒に行こうな」



「うん!」



俺が笑うとつぐみも笑って返してくれる。


それだけで幸せになれる。




「ねぇ、隆之介」



「ん?」



「そういえばさ、清のことなんだけどさ」



「…なんだよ」



そういえば、つぐみの両想い事件のせいですっかり忘れていた清の居候事件。




「あれね、話しに続きがあったみたい」



「は…?」



つい走っていた足が止まる。



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