406号室と405号室の2人。
「じゃあ、あたしも田部にお礼言わないとね」
「じゃあ、あいつに俺らのラブラブっぷり見せてやろーぜ」
「うん!それ、楽しそう」
「あいつ、どんな反応するかなー」
ずっと大好きだった《幼なじみ》のあいつ。
いつまでこの関係を続ければいいのか馬鹿みたいなことで悩むこともあった。
俺の気持ちなんて知らずに無邪気に笑うあいつに苛立つこともあった。
俺を《男》としてみてくれなくてショックな時もあった。
でも、親友の言葉で1つの勇気を出して掴んだ幸せ。
今隣で笑っているあいつはもう《幼なじみ》じゃない。
1人の大切な《彼女》…______
ガラッ
「送れましたー」
「すいませーん…」
「なんだ?湯並と吉浦一緒か。理由は?」
「「寝坊」」
「…ハァ。どーせ、吉浦が寝坊したんだろ、席に座れ」
担任は何でもお見通しか。
頬を膨らませるつぐみを見て、笑いながら席に着いた。
「なんだ、なんだ。ちゃんと仲直りしたのか?」
ニヤニヤしながら小声で話しかけてくる馬鹿。
「まぁな。あ、誠」
「なんだよ」
「俺、すんげー可愛い彼女できたから」
「ハァっ!?」
「田部、うるさいぞ。田部この問い、お前な」
「ハァっ!?」