ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
10. Street soul.
10. Street soul.
アタシの前では蒸し暑い夜の空気を泳ぐ魚影のような人影が行き交い、
スローモーションの世界には私の声が響かない。
ムダだとわかっているのに張り上げる声は夜空に浮かぶ雲より儚く消えていく。
アコギの弦を押さえる右手が汗で滑った8月半ば。
それを見ていた女性が声をかけてきた。
「こんばんは。相倉エルさん」
「こんばんは。―――小塚さん」
「んー、まだまだね。声に不安が出てる。ギターももっと感情的になってもいいんじゃない?」
「テクニックにこだわりすぎってことですか?」
「簡単に言えばね」
アタシの前では蒸し暑い夜の空気を泳ぐ魚影のような人影が行き交い、
スローモーションの世界には私の声が響かない。
ムダだとわかっているのに張り上げる声は夜空に浮かぶ雲より儚く消えていく。
アコギの弦を押さえる右手が汗で滑った8月半ば。
それを見ていた女性が声をかけてきた。
「こんばんは。相倉エルさん」
「こんばんは。―――小塚さん」
「んー、まだまだね。声に不安が出てる。ギターももっと感情的になってもいいんじゃない?」
「テクニックにこだわりすぎってことですか?」
「簡単に言えばね」