ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
「最初は………シュウジと同じステージに立ちたくてギターを始めました。でも今は―――」





そこまで言いかけて、アタシは次の言葉を躊躇(タメラ)った。





アタシがギターを弾く理由。





「今は?」





アタシがバンドをやる理由。





「今は………」





アタシ達がバンドをもう一度やる理由。





「―――高校の時のメンバーでバンドをやりたいからです」





いつの間にか、テンポよく刻む包丁の音が消えていた。





「だったらいつまでも一人で意地になって練習してないで、さっさと再結成しなさい」





ガラステーブルの上に落としていた視線をキッチンに向けると、アタシの後ろに彼女が立っていた。





「その気があるなら、ウチのレーベルからインディーズデビューも考えてあげる」





「―――ホントですか?」





「私は冗談でこんなことを言う人間じゃないわ。ましてや、騙して現金を搾取する人間でもない」





そう言って彼女は力の抜けたように笑顔を見せた。





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