ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
シュウジのメッセージを何度も何度も読み返している間に、アタシのいる公園はすっかり夜の闇に覆われていた。
ずっと頭の中で響いていたのは小塚マリコからギターをもらった時に彼女が弾いてくれた曲だった。
サクリファイスの幻のメジャーデビュー曲で、そしてアタシ達ラズルダズルリリーのデビューシングルになる曲。
どうしてだろう。
すごく悲しいのに、この曲を早く歌いたい。
こんな感覚は初めてだ。
明日が、未来がすごく楽しみ。
もう今、この瞬間がすごくドキドキする。
アタシは急いでカエデのマンションに戻るとドアを開けた。
「ミク! カエデ! リンナ!」
アタシがリビングに入ると、リンナとカエデがテレビを見ていた。
テレビの中では、アタシが実家に入っていくところが映されていた。
「エルさん、おかえりなさい。もうすぐご飯できますよ」
キッチンからのミクの声に気付いたカエデがすぐにTVを消した。
「あれ? 今回は帰ってくるの早かったね」
何事もなかったようにソファにすわるカエデが笑った。
「うん。父親と話してきたよ。それから、小塚さんとも」
リンナは何も言わずアタシを見ていた。
「リンナ。アタシ達、お母さん達のお腹の中で一緒にステージに立ってたんだって」
「どういうこと―――」
「サクリファイスの解散ライブの時、妊娠してたのは陸さんだけじゃなくて、小塚さんも妊娠してたんだ」
「もしかして、それが解散の原因?」
「ううん。違うって、二人とも言ってた。ただ、そのおかげでアタシ達はここにいるんだよ」
アタシがそう言うと、リンナはじっとアタシを見つめ、微笑んだ。
「つくづくワタシ達はサクリファイスに縁があるみたいだね」
その笑顔とその言葉を、アタシは覚えている。
半年前、アタシ達はバラバラだった。
そんな時、大画面でリンナのCMが初公開された日、路上で歌っているアタシの前に現れたリンナが言った。
あの頃とは状況が全く違う。
リンナも、アタシも、サクリファイスのメンバーの娘で、
「そうだね。………うん。そうだった」
今はサクリファイスの小塚マリコにプロデュースしてもらえることになった。
「みんなに報告があるんだ。ダウンロードの結果が出るまでのあと三日、最後の悪あがきしようと思う」
ミクが、カエデが、リンナがアタシを見ている。
ずっと頭の中で響いていたのは小塚マリコからギターをもらった時に彼女が弾いてくれた曲だった。
サクリファイスの幻のメジャーデビュー曲で、そしてアタシ達ラズルダズルリリーのデビューシングルになる曲。
どうしてだろう。
すごく悲しいのに、この曲を早く歌いたい。
こんな感覚は初めてだ。
明日が、未来がすごく楽しみ。
もう今、この瞬間がすごくドキドキする。
アタシは急いでカエデのマンションに戻るとドアを開けた。
「ミク! カエデ! リンナ!」
アタシがリビングに入ると、リンナとカエデがテレビを見ていた。
テレビの中では、アタシが実家に入っていくところが映されていた。
「エルさん、おかえりなさい。もうすぐご飯できますよ」
キッチンからのミクの声に気付いたカエデがすぐにTVを消した。
「あれ? 今回は帰ってくるの早かったね」
何事もなかったようにソファにすわるカエデが笑った。
「うん。父親と話してきたよ。それから、小塚さんとも」
リンナは何も言わずアタシを見ていた。
「リンナ。アタシ達、お母さん達のお腹の中で一緒にステージに立ってたんだって」
「どういうこと―――」
「サクリファイスの解散ライブの時、妊娠してたのは陸さんだけじゃなくて、小塚さんも妊娠してたんだ」
「もしかして、それが解散の原因?」
「ううん。違うって、二人とも言ってた。ただ、そのおかげでアタシ達はここにいるんだよ」
アタシがそう言うと、リンナはじっとアタシを見つめ、微笑んだ。
「つくづくワタシ達はサクリファイスに縁があるみたいだね」
その笑顔とその言葉を、アタシは覚えている。
半年前、アタシ達はバラバラだった。
そんな時、大画面でリンナのCMが初公開された日、路上で歌っているアタシの前に現れたリンナが言った。
あの頃とは状況が全く違う。
リンナも、アタシも、サクリファイスのメンバーの娘で、
「そうだね。………うん。そうだった」
今はサクリファイスの小塚マリコにプロデュースしてもらえることになった。
「みんなに報告があるんだ。ダウンロードの結果が出るまでのあと三日、最後の悪あがきしようと思う」
ミクが、カエデが、リンナがアタシを見ている。