ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
16. Future Rockerz.
16. Future Rockerz.






 アタシ達は、その時を待っていた。





「エルさん、リンナさん。時間です。参りましょう」





控え室のドアを開けたマネージャーのマコモちゃんがいつもより緊張した面持ちで言う。





今日初めて袖を通したリンナプロデュースの衣装は衣装合わせをした時よりも少し緩くなっていた。





ここ何日かまともに食事ができていないのを忘れていた。





「マコモちゃん、戻ってきたら移動中に食べられるように何か用意してもらえる?」





「はい、もちろん。エルさん、何かご希望は?」





「カツサンドで」





「了解です。とびっきりおいしいモノをご用意して待ってますから。―――がんばってください」





こんな時にジンクスだの何だのって言ったところでどうにもならないんだろうけど、何かしたくなった。





「ミク、カエデ、リンナ。マコモちゃんも手を出して」





これはライブ前の決まりごと。





今日はマコモちゃんも入れてアタシ達の中心にピースの指で星を作る。





「まずは記者会見。ミクとカエデはウチらのこと、見守ってて」





「わかった。がんばってこい」





「エルさん。いきますよ」





会見には出ないミクとカエデはアタシとリンナの背中を押すようにたたいた。




「よしっ。リンナ、行くよ。緊張してる?」





「全然。カメラ大好き!」





「さすがトップモデル」





「ほめてくれてありがとう」





控え室代わりの会議室から会見用のレコード会社で一番大きな会議室まではそれほど遠くなかった。





マコモちゃんに案内されてたどり着くと、ドアの前で小塚マリコが待っていた。





「二人とも問題ない?」





「はい。小塚さん」





その瞳がアタシを貫く。





負けじとアタシもその目を見つめ返す。





「時間です。お願いします」





中から顔を出した仲川ユキコに導かれてアタシ達三人は会議室に入る。





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