ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
あのライブのあと、ネット配信を見てファンになってくれたヒト達からの反応があったと小塚マリコが言っていた。
「もちろん笑顔のゴリ押しで企画通したけどね」
そうつけ加えて笑っていた。
そのおかげでアタシ達はラッドナクスと同じレーベルからCDデビューすることになった。
ネットの中では喜んでくれるヒトもいれば、負けたのにおかしい、小塚マリコのコネを使ったんだと批判するヒトもいた。
どちらも正しい。
ただ、アタシ達のために多くのヒト達が動いていてくれるのを今回のことで学んだ。
その全てのヒトと、期待していてくれるファンのためにアタシ達は今まで以上に真摯(しんし)に音楽と向き合って、最高のパフォーマンスをしていかなければならない。
それがCDデビューすることに対する、覚悟だ。
それをアタシは小塚マリコからまた教わった。
そんな彼女が撮影の休憩時間に顔を出してきた。
ミュージシャンとプロデューサー、そしてMV監督。
娘と母親と、そして父親。
そんな三人が同じ空間に並ぶのはこれが初めてだった。
アタシ自身、父親と母親が話しているのを初めて見た気がする。
「それでエル、ちゃんと演技できてるの?」
自分で持ってきた差し入れのカップケーキを食べながら小塚マリコはアタシに聞いた。
「全然ダメだな。マリコの学校で演技のレッスンもやったほうがいいんじゃないのか」
父親はアタシよりも早く答えて自前のコーヒーを紙コップに入れていた。
そのコーヒーを小塚マリコは差し出され、少しだけためらいながらも砂糖とミルクを入れて口をつける。
「苦い。相変わらずね」
「これが好きなんで」
「あっそ」
隣同士にすわっている二人を見ていると、離婚なんてまるでなかったかのように思えてくる。
これが撮影の現場でなければ二人はこのまま再婚するのではないかとさえ思ってしまう。
「ねえ、二人は再婚しないの?」
「………え? ーーーはぁ!? ちょっとエル、何言ってんの? 何で別れた元旦那と再婚しなきゃいけないのよ!」
「別にお父さんとじゃなくてもいいけどさ。二人がそのつもりならアタシは反対しないよ」
気づけばリンナ達も撮影スタッフもアタシ達親子から少し距離を取っていた。
親子水入らずでいられるよう気を配ってくれている。
話すなら今かもしれない。
「もちろん笑顔のゴリ押しで企画通したけどね」
そうつけ加えて笑っていた。
そのおかげでアタシ達はラッドナクスと同じレーベルからCDデビューすることになった。
ネットの中では喜んでくれるヒトもいれば、負けたのにおかしい、小塚マリコのコネを使ったんだと批判するヒトもいた。
どちらも正しい。
ただ、アタシ達のために多くのヒト達が動いていてくれるのを今回のことで学んだ。
その全てのヒトと、期待していてくれるファンのためにアタシ達は今まで以上に真摯(しんし)に音楽と向き合って、最高のパフォーマンスをしていかなければならない。
それがCDデビューすることに対する、覚悟だ。
それをアタシは小塚マリコからまた教わった。
そんな彼女が撮影の休憩時間に顔を出してきた。
ミュージシャンとプロデューサー、そしてMV監督。
娘と母親と、そして父親。
そんな三人が同じ空間に並ぶのはこれが初めてだった。
アタシ自身、父親と母親が話しているのを初めて見た気がする。
「それでエル、ちゃんと演技できてるの?」
自分で持ってきた差し入れのカップケーキを食べながら小塚マリコはアタシに聞いた。
「全然ダメだな。マリコの学校で演技のレッスンもやったほうがいいんじゃないのか」
父親はアタシよりも早く答えて自前のコーヒーを紙コップに入れていた。
そのコーヒーを小塚マリコは差し出され、少しだけためらいながらも砂糖とミルクを入れて口をつける。
「苦い。相変わらずね」
「これが好きなんで」
「あっそ」
隣同士にすわっている二人を見ていると、離婚なんてまるでなかったかのように思えてくる。
これが撮影の現場でなければ二人はこのまま再婚するのではないかとさえ思ってしまう。
「ねえ、二人は再婚しないの?」
「………え? ーーーはぁ!? ちょっとエル、何言ってんの? 何で別れた元旦那と再婚しなきゃいけないのよ!」
「別にお父さんとじゃなくてもいいけどさ。二人がそのつもりならアタシは反対しないよ」
気づけばリンナ達も撮影スタッフもアタシ達親子から少し距離を取っていた。
親子水入らずでいられるよう気を配ってくれている。
話すなら今かもしれない。