ギャルバン!!! 2nd The Re:Bandz!!!!
「エル………」





その手の温かさを感じて、感情が抑えられなくて、泣きそうになっているアタシなんて。





「泣きなよ」





まだ口にしていない言葉をハルカさんは理解してくれているようにアタシの手を強く握った。





「らしくなくても泣きたい時はあるよ」





心を、深い奥底の感情をそっと包まれている気がして、アタシは我慢できずに泣いた。





声を押し殺して、ぐちゃぐちゃの顔を見られないように下を向いて。





「エルちゃん」





そんな空気を壊そうとするかわいらしい声が聞こえた。





「―――まだ何か用?」





少しだけハスキーなハルカさんの声が強く彼女に放たれた。





顔を上げたアタシの視線の先には、カワイイという言葉だけでは表現できないエムがいた。





「アナタに言ってない」





とキレイな顔のエムの口から鋭利な言葉が響いた。





「エルちゃん。そんなにもたもたしてると私がシュウジを、もらうから」





「―――え?」





何を、言ってるの?





「それだけ、言いたかったの。それじゃあね」





頭の中が真っ白になるっていうのはこういうことなんだ、と他人事のように思った。





シュウジヲ、モラウカラ。





言葉が言葉として理解できないくらい思考が停止しながら、アタシは去っていくエムの背中を見ていた。


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