王子様は囚われ王女に恋をする
先ほど目覚めた部屋に駆け込むと
アリシアはベッドに体を投げ出した。
「大嫌いっ…絶対に許さないんだからっ」
スカイブルーの瞳に見つめられて
一瞬昔の想いにとらわれそうになった自分に腹が立った。
そして大切なものを奪ったあげくに
自分を捕虜扱いするあの男への怒りがあふれてくる。
「…アリシア様」
ベッドの上で泣きじゃくるアリシアの背中を
イライザが優しく撫でてくれる。
「イライザ、悔しくてたまらない。
どうしてあんな男の捕虜にならなければならないの?!
言いなりになるくらいなら死んだほうがマシだわ」
それを聞いたイライザは血相を変えた。
「死ぬなんておっしゃらないでください!
アリシア様に何かあったら
王様と王妃様に合わせる顔がありませんっ」
イライザの言葉に、両親の最後の言葉を思い出す。
『どうか生き延びて幸せに…』
アリシアは唇を噛みしめながら、うつむいた。
「でも捕虜として生きるなんて耐えられない!」
取り乱す私にイライザは落ち着いた声で言った。
「アリシア様、少し府に落ちないことがあるんです」
「え…?」
彼女の言わんとしていることが分からず
アリシアは首をかしげた。
「捕虜というには待遇が良すぎる気がするんです」
イライザは腕組みをして考え込んでいる。
「カイル様は私にアリシア様の世話を命じられました。
いくら地位の高い王女様であるにしても
いったん捕虜になれば自国の者に世話をさせ監視下に置くはず」
「そういえば…」
「それにあてがわれたこの部屋も明らかに客用の部屋です。
先ほど通された部屋も客間でした。お気づきでしたか?」
「そうだったかも」
「ここはもう少し様子を見てみるべきかと思います
それにアリシア様が捕虜になっていると伝われば
逃げ延びたメルディアンの者たちが助けに来るかもしれません」
冷静なイライザの言葉に心が落ち着きを取り戻す。
「そうね、確かにイライザの言う通りだわ。
もしかしたら、叔父様も逃げ延びているかもしれない。
しばらくはおとなしく様子を見ましょう」
アリシアは心を決めた。
アリシアはベッドに体を投げ出した。
「大嫌いっ…絶対に許さないんだからっ」
スカイブルーの瞳に見つめられて
一瞬昔の想いにとらわれそうになった自分に腹が立った。
そして大切なものを奪ったあげくに
自分を捕虜扱いするあの男への怒りがあふれてくる。
「…アリシア様」
ベッドの上で泣きじゃくるアリシアの背中を
イライザが優しく撫でてくれる。
「イライザ、悔しくてたまらない。
どうしてあんな男の捕虜にならなければならないの?!
言いなりになるくらいなら死んだほうがマシだわ」
それを聞いたイライザは血相を変えた。
「死ぬなんておっしゃらないでください!
アリシア様に何かあったら
王様と王妃様に合わせる顔がありませんっ」
イライザの言葉に、両親の最後の言葉を思い出す。
『どうか生き延びて幸せに…』
アリシアは唇を噛みしめながら、うつむいた。
「でも捕虜として生きるなんて耐えられない!」
取り乱す私にイライザは落ち着いた声で言った。
「アリシア様、少し府に落ちないことがあるんです」
「え…?」
彼女の言わんとしていることが分からず
アリシアは首をかしげた。
「捕虜というには待遇が良すぎる気がするんです」
イライザは腕組みをして考え込んでいる。
「カイル様は私にアリシア様の世話を命じられました。
いくら地位の高い王女様であるにしても
いったん捕虜になれば自国の者に世話をさせ監視下に置くはず」
「そういえば…」
「それにあてがわれたこの部屋も明らかに客用の部屋です。
先ほど通された部屋も客間でした。お気づきでしたか?」
「そうだったかも」
「ここはもう少し様子を見てみるべきかと思います
それにアリシア様が捕虜になっていると伝われば
逃げ延びたメルディアンの者たちが助けに来るかもしれません」
冷静なイライザの言葉に心が落ち着きを取り戻す。
「そうね、確かにイライザの言う通りだわ。
もしかしたら、叔父様も逃げ延びているかもしれない。
しばらくはおとなしく様子を見ましょう」
アリシアは心を決めた。