王子様は囚われ王女に恋をする
ナターシャの店で昼食をとったアリシアは
久しぶりに心休まる時間を過ごした。

城の中で自由は与えられているものの
捕虜である自分たちへの周囲の視線が気になり
心底くつろげていなかったのだ。

「アリシア様、また来てくださいね」

戸口まで送ってくれたナターシャは
その温かい手で彼女の手を握った。

「はい、ありがとうございます。
お料理、とてもおいしかったです」

アリシアは心からのお礼を言った。

「カイル様、アリシア様をしっかりお守りするんですよ」

ナターシャの言葉にカイルは軽く微笑むと
アリシアの手を取って馬車に乗るように誘った。

「ナターシャ、また来るよ」

それだけ言うとカイルも馬車に乗り込んだ。
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