王子様は囚われ王女に恋をする
刺客
振り返りたくなる思いを抑えてカイルは寝室を後にした。

アリシアの反応は思いもよらないものだった。

これまでは嫌われているとばかり思っていた。彼女にとっては親の仇だから。

しかし、今日のアリシアはカイルを受け入れていた。

(単なる気まぐれか?気弱になって誰かにすがりたくなっただけか、それとも…)

早く戻って彼女の気持ちを確かめたい。

余裕のない自分の気持ちに苦笑しつつ、カイルはアリシアの部屋をあとにした。

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