王子様は囚われ王女に恋をする
部屋の外ではブラッドが待ち構えていた。

「状況を説明しろ」

足早に歩きながら、ブラッドに説明を求める。

「どうやら、商人に紛れて入り込んだようです」

「メルディアンの者か?」

「おそらく」

「アリシアには何も知らせるな」

「分かりました」

そこまで言ったとき、裏庭のほうから悲鳴が聞こえた。

顔を見合わせた二人は声がした方に向かって走り出した。
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