王子様は囚われ王女に恋をする
眠り
カイルはすぐさまアリシアを抱き上げる。
「ブラッド、医者を呼んでこい!」
「分かりました」
ブラッドは医師を呼びに走る。
アリシアを抱いたカイルは、そのまま部屋へと急ぐ。
肩から流れる血は止まることなく、廊下にはアリシアの血の跡が続く。
「アリシア様…っ」
いまにも卒倒しそうなイライザがカイルのあとに続く。
アリシアの部屋の扉を体当たりするような勢いで開けると
そのまま寝室へ向かい、ベッドが汚れるのも構わずに
アリシアをそっと横向きに下ろした。
出血がひどいせいか、アリシアの顔からは血の気が失われ
唇は紫色に変わっていた。
「カイル様、医師を連れてきました!」
医師はアリシアの状態を見てとると
すぐさま治療に入った。
「カイル様とブラッド様は席を外してください」
医師に寝室から追い出されたカイルは
扉の前に立ち尽くし、唇をかみしめた。
「なんでこんなことにっ…」
「どうやらタチアナは
カイル様をおびきよせるための人質だったようですね」
「自国の王女を矢で射るとはっ。なんてやつらだ」
思わず声を荒げるカイルにブラッドは静かに言った。
「おそらく彼らにも予想外のことだったのでしょう。
まさかアリシア様がカイル様をかばうとは思ってもいなかったはず」
その言葉にカイルは苦しげに目を伏せる。
「ブラッド、医者を呼んでこい!」
「分かりました」
ブラッドは医師を呼びに走る。
アリシアを抱いたカイルは、そのまま部屋へと急ぐ。
肩から流れる血は止まることなく、廊下にはアリシアの血の跡が続く。
「アリシア様…っ」
いまにも卒倒しそうなイライザがカイルのあとに続く。
アリシアの部屋の扉を体当たりするような勢いで開けると
そのまま寝室へ向かい、ベッドが汚れるのも構わずに
アリシアをそっと横向きに下ろした。
出血がひどいせいか、アリシアの顔からは血の気が失われ
唇は紫色に変わっていた。
「カイル様、医師を連れてきました!」
医師はアリシアの状態を見てとると
すぐさま治療に入った。
「カイル様とブラッド様は席を外してください」
医師に寝室から追い出されたカイルは
扉の前に立ち尽くし、唇をかみしめた。
「なんでこんなことにっ…」
「どうやらタチアナは
カイル様をおびきよせるための人質だったようですね」
「自国の王女を矢で射るとはっ。なんてやつらだ」
思わず声を荒げるカイルにブラッドは静かに言った。
「おそらく彼らにも予想外のことだったのでしょう。
まさかアリシア様がカイル様をかばうとは思ってもいなかったはず」
その言葉にカイルは苦しげに目を伏せる。