王子様は囚われ王女に恋をする
「…んっ」

何度も口づけをされただけで、体が熱くなり
どうにかなりそうな気分になる。

その時、背中に回っていたカイルの手が
布地の上から胸のふくらみを包んだ。

「あっ…」

優しい手の感触に体に電流が走ったように感じた。

撫でるような動きに反応して声が漏れそうになり
アリシアは手を口に当てる。

カイルは器用にドレスの留め具をはずすと
アリシアの肩から胸元までドレスを下ろした。

そして胸元に口づけ、赤い花のような印を残すと
ドレスの中に手を滑り込ませる。

「あっ…やっ」

こらえきれずにアリシアは枕を握りしめる。

あっという間にドレスは床に落とされ
アリシアが来ているのは下着だけになっていた。

カイルの素肌のぬくもりに抱きしめられて
その心地よさに離れたくない気持ちになる。

「カイル様…」

吐息の合間に名前を呼ぶアリシアが
愛しくてたまらない。

「アリシア…好きだ」

カイルはアリシアを優しく誘いながら
その身をゆっくりと沈めた。

「あぁっ…」

痛みを感じながらもアリシアはカイルにしがみつく。

カイルに与えられる初めての感覚を
アリシアはその夜全身で受け止めた。
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