王子様は囚われ王女に恋をする
「すみません、アリシアが落ち着いてからと思っていたんです。本人にもまだ何も伝えていませんし」

「まぁ!まだプロポーズもしてないの?信じられない!」

カイルの言葉に王妃は目を丸くした。
「早くプロポーズしなさい。女心が分かってないわね」

王妃の勢いにカイルは圧倒的に負けていた。

「結婚する意思はあるんだな?」

助け船を出したのは王だった。

「もちろんです。彼女以外は考えられません。心に決めた人ですから」

息子の真摯な言葉に両親は満足そうにうなずいた。

「二人で報告に来てくれるのをまってるわね」

帰り際に母親に微妙なプレッシャーをかけられつつ、カイルは部屋を後にした。
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