失恋ショコラ【短】
篠原自身への憧れは消えてしまっても、彼の書く作品の魅力には取り付かれたままで、その全てを読み込んだ。


だけど…


篠原の作品の中に、あたしのような主人公は一人もいない。


だから…


所詮(ショセン)、あたしは主人公にはなれないのだ。


可愛くも無く、可愛いげも無い。


そんな自分(アタシ)に与えられるのは、せいぜい主人公を引き立てる為の脇役くらいだろう…。


それもほとんど出番の無い、ほんのワンシーンを飾るだけの脇役の中の脇役。


きっと“つまらない女”である自分(アタシ)には、そのくらいの役がお似合いに違いない。


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