失恋ショコラ【短】
「別に勝手に見た訳じゃない。こいつの方から、俺の視界に入って来たんだよ」


「どんな言い訳ですか!」


篠原はいつものような高圧的な態度とは違い、どこか楽しそうにニヤニヤと笑っている。


「へぇ、お前が手作りねぇ〜」


バカにされたのだとわかってムカつきながらも、篠原相手に敵わない事は重々理解している。


あたしは眉を寄せてため息をついた後、手を引っ込めた。


「……それが欲しいなら差し上げますから、さっさと原稿を書いて下さい」


そのボックスも中身も、どうせ行き場を失くしてしまったのだ…。


今更、どちらも必要無い。


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