失恋ショコラ【短】
篠原が何かを企むような笑みを浮かべながら、また生チョコを口に運ぶ。


行き場を失くしていたそれが、一つ、また一つと彼の内(ナカ)に消えていく。


その光景に魅入られていたあたしは、すっかり自分の置かれている状況を忘れてしまっていて…


「お前のタガ、俺が外してやるよ」


妖艶な笑みで落とされた言葉にハッとして、慌てて篠原の体を押し退けようと手を伸ばした。


だけど…


その両手はロクな抵抗も出来ないまま一纏めにされ、頭の上で押さえ付けられた。


熱い、熱い、熱い…。


篠原に触れられている手首が、とてつもなく熱い――。


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